こんにちは、darakeです。
今回の記事は、特別支援学級の担任としての悩みや挑戦を発信する記事の続きとなります。初めて読んでくれる方は、第一弾の記事から遡って見ていただけると有難いです。
今回は、担任しているA君(仮称)に対して、ある決断をしたこと、一歩前進した経緯についてまとめています。
具体的な内容は次の3点です。
- 適応指導教室に通うのはストップ
- 非協力的な母親を動かす
- 熱中できることに時間を使う
適応指導教室に通うのはストップ
自分勝手な振る舞いをしていたA君に対して、適応指導教室に通うことを一時禁止していました。
担任として一つ決断をしました。
それは、今後も通わせない(通わせられない)ということです!
適応指導教室のスタッフの人員も増えておらず、A君が通うことで周りの生徒に迷惑がかかることを考えると致し方ない判断かと思います。
そして、適応指導教室を好き勝手できる場所(スマホの持ち込み、ゲーム、お菓子等の飲食)と勘違いしている現状では、適応指導教室のスタッフでは手に負えないことが明らかです。
A君にはこの事実を包み隠さずに伝えました。
理解したかどうかは不明ですが、これ以降勝手に行ったりしていることはないようです。
A君の様子を見ながら、ストレスが溜まるようならばまた別の策を考えます。とりあえずは適応指導教室に通うことはストップします。
非協力的な母親を動かす
A君への子育てが八方塞がりで、何に対しても非協力的だった母親に変化がありました。
それは、スクールカウンセラーとの関わりがキッカケです。
この担任以外の人と母親を結びつけたことで、母親が抱えている思いや不満を吐き出させることに成功しました。
以前からも特別支援コーディネーター(定年間近)が母親との窓口となり、積極的に電話連絡をしてくれていたことで、学校と母親の関係は右肩上がりでした。
そして今回、スクールカウンセラーが勤務日の時に合わせて、母親に来校してもらうことができました。今までは、仕事が忙しいという理由で断られていました。
結局、1時間の相談の予定が大幅に伸びて、2時間以上も話をしていました。
内容としては、
②小学校時のA君への対応に対しての不満
③医療機関との連携に前向き
相談時間の9割を①と②に費やしたそうです。
おそらく、普段から悩みや困り感を吐き出せる存在がいないことが伺えました。スクールカウンセラーに話した後の母親の表情は、とてもスッキリしていたことが印象的でした。
そして、一番の収穫が③でした。
実は、A君は小学校入学時に一度だけ発達障害の検査を受けています。ただ、その時はハッキリとした自閉スペクトラム障害という診断をしてくれなかったのです(これが実は母親のモヤモヤの大元)。
そのため、それ以降どんなに検査を進めても母親は首を縦に振りませんでした。
という経緯もあり、改めて医療機関を受診してもらうことには大きな意味があります。それは、正式な医者の診断がもらえるということです!
A君は好きな部活動(スポーツ部)をやりたいがために、学校に登校しています。なので、部活動が休みの時は学校をサボったりもします。
ただ、学校は学習をする場です。部活動は趣味と同じなので、部活動の時間だけ登校することを認めた場合、学校の存在意義さえ揺らぎかねません。darakeは部活動第一主義は否定します。
とはいえ、A君が唯一目を輝かせる場が部活動というのも事実です。これを否定することもできません。
この問題の抜け道として、医者の診断書があります。
医者が、『A君の特性からして、部活動だけの参加もアリだよ!』と診断書を書いてくれれば解決します。それほどまでに医者の診断は効力があるそうです。
授業を受けずに、自分の好きな部活動だけ参加することが公に許可されると、多くの学校で大混乱が起こるでしょう。
部活動拒否願望があり、外部化を推奨しているdarakeとしては、部活動だけ参加することに違和感を覚えます。ただ、特別な支援を要するA君については例外かとも思います。
ということで、母親が医療機関との連携に前向きになってくれたということは、一歩前進することができました。
大切なのはA君の将来です。
熱中できることに時間を使う
今までA君に関わっている中で、ずっと葛藤していることがありました。
それは、A君に5教科の学習が必要かどうかです。
A君は小学校の高学年から、学級の中ではまともに学習をしていません。その流れのまま中学校に入学しており、中1の学習内容もほぼ網羅できていません(小学校からすでにやってないので当然です)。
そのため、中2になってからの個別学習の内容は、中1の5教科の学習内容を学習しています。ただ、簡単な計算や漢字練習以外は全く興味がなく、社会や理科に至っては苦痛にさせ感じているようです。
進学先については、A君も保護者も高等養護学校というよりは、まだ普通高校進学も視野にあります(かなり厳しい現状ですが)。
どう考えても、普通高校では生活できません。トラブルを起こして辞めるか、不登校になる確率が高いと言わざるを得ません。
そして何より、A君自身が5教科を学ぶことを求めてなく苦痛に感じている状況で、強引に教え込むことが正しいのかをずっと葛藤していました。
そこで、担任としてある決断をしました。
A君が苦痛に感じている教科をやめ、興味・関心が高い学習に時間を割くことにしました。それは、パソコンスキルの向上(プログラミングや静止画・動画編集)です。
A君は、もともとタブレットを使用して動画教材を見ていたので、そのタブレットを使って簡単なプログラミングに触れるところからスタートしました。
もともと文書入力は余裕で出来るスキルはありました。
すると、真剣な表情で時間を忘れて作業を始めました。プログラミングの基礎から学び、自らわからない部分を調べる等、意欲的に学習し始めました。
さらに、静止画編集や動画編集なら、そこらの大人を凌ぐレベルの作品まで作り始めました。
苦痛に感じていた5教科の学習をしている時とは、別人のようでした。改めて、興味・関心が高くて得意なことに取り組む重要性を感じました。
ただ、課題は山積みです。
まず、現段階で5教科の授業時間を減らしたことで、普通高校への進学の道はほぼゼロです。定員割れ等で入学できたとしても先に繋がりません。
次に、パソコンスキルを生かした職業に就けるかどうかです。今A君がもつ技術で稼げるほど、甘い世界ではないでしょう。
最後に、小学校高学年から5教科の知識がほぼないA君を受け入れてくれる大人(保護者含む)が身近にどれだけいるのかです。
以上の課題があることを知りつつ、学習内容を変えました!
だって、本人が教わることを苦痛に感じていることを知りながら、教えるって結構ツライです。
だからとりあえずやってみました!
今後さらに良い方策が見つかったら、すぐに方向転換します。
2019年11月現在の状況
今回は、担任している特別支援を要するA君(仮称)に対して、ある決断をしたこと、一歩前進した経緯についてまとめました。この記事はシリーズ化第四弾です。
・非協力的だった母親の気持ちが少し前向きになった
・今後は医療機関との連携が重要課題
・5教科の学習よりパソコンスキルの向上へ転換
・興味・関心が高いことの方が学習成果は桁違い
・さらに良い方策を模索中
A君の熱中する様子を見ていると、いかに興味・関心をもつことが大切か、得意なことに時間を費やすことが効率的かを実感しました。
興味・関心については以前にも記事を書いてます。ぶっ飛んだ内容ですけどね。
特別支援学級の担任としての悩みや挑戦を発信する記事は、まだまだ続きます。
もっと自閉スペクトラム障害について理解し、A君について理解し、よりA君に合った指導をしていこうと考えています。
従来のやり方に捉われることなく、トライ&エラーを繰り返していきます!!
今回はここまで!
みなさんが、幸せな人生を送れますように!
コメント