こんにちは、darakeです。
今回の記事は、スクールロイヤーとの共存の可能性についてまとめています。実際に対話した結果、貴重な話を聞くことができたのでアウトプットします。
具体的な内容は次の3点です。
- スクールロイヤー制度とは
- スクールロイヤーからの助言
- スクールロイヤー制度の課題
スクールロイヤー制度とは

スクールロイヤー制度って何?
そもそも、スクールロイヤー制度を聞いたことがない人も多くいるでしょう。私もつい最近知りました。ということで、概要はWikipedia様から引用させてもらいます。
School Lawyerとは、学校で起こるいじめや保護者とのトラブル等を法的に解決する弁護士のことである。学校内で問題が起きた際に、弁護士会と教育委員会の連携のもと、学校に弁護士が派遣される制度をスクールロイヤー制度という。 Wikipediaより
そして、具体的にどんな活動を期待した制度かというと、
・法的側面からのいじめの予防教育
・学校における法的相談への対応
・法令に基づいた対応の徹底 Wikipediaより
ということは、スクールロイヤーは学校や教師の強い味方になり得る存在ということです。
ただ、学校専門の弁護士というのは少なく、教育委員会経由もしくは学校から直接依頼を受けて相談できるという仕組みになっています。
当然のことですが、普段は通常の弁護士の仕事をしているわけで、学校相手に訴訟を起こした保護者の弁護をしている方だっています(必ずしも学校の味方ということではない)。

つまり、学校や教師はもちろん、生徒や保護者もスクールロイヤーに相談することができて、法的な助言をしてもらえるというわけだね!
スクールロイヤーからの助言
今回、まず学校内での物の紛失・イタズラについて聞いてみました。
学校内で生徒の私物の紛失があったりイタズラがあったりして、対応に悩んでいる学校・教師が多いと思います。
長年働いているとわかりますが、どこの学校でも生じる問題です。これは肯定したり諦めているわけでもなく事実です。
学校という公共の場では、私物を隠したりイタズラしようとすると、結構簡単に実行できます。死角があったり、鍵のかからない管理場所であったり、負の要因がそろっています。
この件についてのスクールロイヤーの見解は、以下の通りでした。
・学校側に弁償する法的責任はない。
・私物なので、個人と個人の問題である。
・あくまでも加害側の不法行為である。責任は加害側にあり!
・学校・教師側が不適切な置き場所を指示した場合のみ、法的責任に問われる可能性がある。
そして、スクールロイヤーからの助言です。
・未然防止の注意喚起や環境整備が重要である。
・紛失やイタズラが継続することのないような事後対応が求められる。
・指導内容や対策は、被害にあった生徒・保護者に十分に説明すべき。
・指導内容や対策は、必ず音声データや文書として保管すべき。
・法的には学校側に責任はないが、生徒や保護者への伝え方には配慮が必要である。
・早い段階でスクールロイヤーに相談することが好ましい。
次に、保護者対応について聞いてみました。
どこの学校でも保護者とのトラブルはあるものです。このブログでも保護者対応についての記事をいくつか書いています。
スクールロイヤーからは次のような助言をもらいました。
・勤務外での電話や面談は対応する必要が法的にはない。
・勤務内であっても、優先すべき業務がある場合はそちらを優先しても構わない。
・まず保護者の話を聞くことが何よりも大切である(教師はこの部分が苦手という指摘が)。
・保護者との話し合いでは必ず記録を残すこと。
・担任以外の役割分担が必須であり、学年の連携、生徒指導部との連携が大切である。
・養護教諭を上手に活用すべき(生徒や保護者が安心して話しやすいという理由)。
・管理職、特に校長が登場する場合は経緯を把握していることが必須である。
・法的には問題がなくても、伝え方を失敗してトラブルになってしまうことが多い。
・嘘や誤魔化しは絶対にアウトである。ミスはミスとすぐに認めることがトラブル防止となる。
・早い段階でスクールロイヤーに相談することが好ましい。
スクールロイヤー制度の課題
スクールロイヤーと初めて対話してみて、darakeが感じた課題です。
②スクールロイヤーの人数と金
③法的観点からの助言なので、伝え方を間違うと冷たい対応だと勘違いされる。
①について、
教育委員会に連絡して、委員会の判断を待つことになるわけなのでそこに待ちが生じてしまいます。
そして、案件によってはスクールロイヤーに通してもらえないこともあるそうです。
こうなると、スクールロイヤーに相談してから保護者対応したくても、そこに待ちが生じて時間がかかると初動が遅れてしまいます。
自治体によっては、直接スクールロイヤーと繋がる体制を整えているところもあるそうなので、その方が活用しやすそうです。
②について、
相談したくても人手不足だと機能しません。
現状、まだスクールロイヤーの数は足りていません。全国に300人配置だと、北海道に配置されるのは10人以下です。だから教育委員会で案件を判断して、取捨選択せざるを得ない状況なのでしょう。
これでは本当に助言が必要な時に活用できません。
そして、スクールロイヤー側への報酬も気になります。ボランティアとして対応させてしまうと、この制度は長続きしないでしょう。
文部科学省には、きちんとスクールロイヤーへの報酬を確保するように総務省に要望し続けてほしいものです。
③について、
スクールロイヤーの助言は、法的観点からのものです。なので、そのまま生徒や保護者に伝えてしまうと、どうしても冷たい印象になります。
「伝え方」というのは1つのポイントになります。
だからこそ案件によっては、スクールロイヤーの助言を受けて教師が伝えるよりも、直接スクールロイヤーから生徒・保護者に伝えてもらう方がトラブル防止になるような気がします。
スクールロイヤー制度を活用しよう!
今回は、スクールロイヤー制度についてまとめました。実際に対話して、学んだことや気づいたことをまとめました。
・法的観点からの助言をもらうことはトラブル解決の糸口になる。
・スクールロイヤーを活用できるということを知ることが重要
・まだ発展途上の制度である。
学校での諸問題について、法的な観点からの見解を聞ける機会はなかなかないので貴重な体験でした。
今回対話をして感銘を受けたのは、学校と教師が背負いすぎることはよいことではないということです。教師はトラブル解決のプロではないということです。
ただそれは、何でもスクールロイヤーに任すということでもなく、法的な観点と教育的な観点からバランスよく対策することが必要だと感じました。
そして、学校が扱う問題の範疇を越えていると判断した場合は、外部に任せる決断も時には必要です。その判断が難しいので、気兼ねなくスクールロイヤーに相談できる環境が整うといいなと感じました。
今回はここまで!
みなさんが、幸せな人生を送れますように!
コメント
公立高校の教師に、息子が些細な問題行動を繰り返したと、退学処分と本人、保護者に告げられた。詳しく理由を聞くと、息子が発達障害と教師から知らされ、この学校は、全日制の普通高校です特別支援学校ではないと、もうこの学校では預かれないと告げられた。息子が誰かを虐めたとか暴力事件を犯した類の事ではなく、授業態度や素行の事で退学処分、しかも発達障害と学校だけが知っていた。保護者に退学処分が決まってから障害と伝えて貰っても納得いかず、書面請求すると豹変し退学処分が無くなり、その後、息子に対しての嫌がらせが始まりました。この学校は毎年2割程の生徒さんが退学させられています。生徒を救済するシステムは無いのでしょうか?会話の録音と資料は整理してあります。今後の生徒さん教育の為、出来ることは保護者としてしたいのです。
コメントありがとうございます。
武田ますみさんと同内容のコメントだったので近親者の方でしょうか?
ますみさんのアドレスに返信させてもらいました。
何かのお役に立てれば幸いです。
公立高校の教師に、息子が些細な問題行動を繰り返したと、退学処分と本人、保護者に告げられた。詳しく理由を聞くと、息子が発達障害と教師から知らされ、この学校は、全日制の普通高校です特別支援学校ではないと、もうこの学校では預かれないと告げられた。息子が誰かを虐めたとか暴力事件を犯した類の事ではなく、授業態度や素行の事で退学処分、しかも発達障害と学校だけが知っていた。保護者に退学処分が決まってから障害と伝えて貰っても納得いかず、書面請求すると豹変し退学処分が無くなり、その後、息子に対しての嫌がらせが始まりました。この学校は毎年2割程の生徒さんが退学させられています。生徒を救済するシステムは無いのでしょうか?会話の録音と資料は整理してあります。今後の生徒さん教育の為、出来ることは保護者としてしたいのです。
コメントありがとうございます。
直接メールアドレスに返信させていただきました。