告げ口する(チクる)ことで何を成し遂げたいのか!?

生徒指導のコツ

 こんにちは、darakeです。

 今回は、「告げ口する(チクる)」という行動について詳しく考える記事となっています。

 自分の子どもに聞かれたことがあります。

長男
長男

『悪いことをしている友達がいたから先生に告げ口したんだ。良いことだよね?』

 生徒から言われることがあります。

生徒
生徒

『〇〇君がテストでカンニングしていました。指導してください』

 これらのような「告げ口する(チクる)」という行動は、誰しもが経験あるでしょう。したこともされたこともあるはずです。

 親として教師として「告げ口する(される)」という行動に対して、どのようなアドバイスをしたり行動を起こしますか?

 「告げ口する(チクる)」という行動について考えることで、生徒理解・子ども理解に長けた大人を目指しましょう。

 具体的な内容は次の3点です。

  1. 誰のための告げ口(チクり)なのか
  2. 告げ口する(チクる)リスクとは
  3. 告げ口する(チクる)ことの是非

誰のための告げ口(チクり)なのか

 まずは、告げ口する目的について考えてみます。

 大きく分けると、自分のためか他者のためかに分かれます。具体例を4つ示します。

(1)違反行動により被害を受けた友達を救いたい(他者のため)
 イジメを受けている友達を発見したとします。何とか救いたいけれど、直接注意する勇気がないわけです。もしかしたら自分がターゲットにされるかもしれない。こんな葛藤の中で、先生や親に助けを求めるために告げ口をする。この場合は、傍観者でいることに比べると勇気がある行動だといえます。
(2)違反行動していた友達を更生させたい(他者のため)
 ルールを破った友達に対して、何とかして気づいて直してほしいという思いがある。『それはやっちゃいけないと思うよ!』と、友人を更生させたい気持ちがある。ただ、自分で注意する勇気がないのです。
(3)自分の立場を守りたい(自分のため)
 これについては少し複雑な考え方になります。例えば委員長などの、違反行動していた友達を注意しないといけない立場の時があります。もし注意しなかったら先生に自分が指導されるかもしれないとか、注意することで委員長として褒められるかもしれないとか、両方の考え方があります。どちらにせよ、自分の立場を考え、その立場を守るための告げ口です。
(4)自分が出来ないことをした友達を陥れたい(自分のため)
 これは『あいつだけズルイじゃん!』の考え方です。自分もある利益のために、出来ることなら違反行動をしたい。でも、違反行動は悪いことだという制御が働き実行できない。だから、違反行動を実行した友達に対して先生と正論を利用して叱ってもらおうと考えるわけです。つまり、自分の葛藤のはけ口として友達を陥れるために告げ口しているわけです。

 以上のことから、

 子どもに告げ口の是非を聞かれたり生徒に告げ口をされた時は、告げ口の目的が誰のためで何を成し遂げたいのかを明確にしてから、アドバイスしたり行動を起こしましょう。

 そのためにはよく話を聞いて、子どもや生徒の心理を読み取ることが大切です。

告げ口する(チクる)リスクとは

 告げ口することにはリスクが生じます。

 学校では頻繁に次のような事象が起きます。

生徒
生徒

『先生に言いつけてやるからなー!』

違反生徒たち
違反生徒たち

『あいつすぐチクるから外そうぜ!』

 基本、頻繁に告げ口する人は嫌われます。これは他者のためを思っての行動だとしてもです!

 それはなぜか?

 それは、先生や親といったあるコミュニティ内で権力をもつ存在を利用するからです。

 教師や親は告げ口にはリスクが伴うことを、子どもや生徒に伝える必要があります。

 前項の具体例4つとリスクの関係を考えてみましょう。

(3)と(4)は自分のための告げ口なので、リスク承知で実行するしかありません。

 告げ口をすることで友達と揉める等、被害にあうことも想定すべきです。その覚悟がないのであれば、告げ口はやめるべきです。

(2)は他者を更生するという大義名分があったとしても、告げ口された方には遺恨が残るでしょう。

 本当に友達のためを思うのであれば、直接伝えたり注意する方がいいかもしれません。勇気がなく教師や親を頼るのであれば、やはりリスクは受け入れざるを得ないでしょう。

(1)だけは例外です。

 他者を救うためという緊急対応なので、奨励されるべきです。ただリスクは生じます。

 このリスクを出来るだけ最小限で食い止めることができるのは、告げ口された教師や親です。教師や親は、最大限の配慮をしてリスクを減らしてください。

 具体的には、告げ口した人を秘匿する。誰から聞いた情報なのかを明かさないことが絶対条件です。この場合においては、告げ口(チクり)ではなく情報提供と表現するべきでしょうか。

 以上のことから、

 教師や親は告げ口で生じるリスクと告げ口の目的を照らし合わせて、慎重に対処することが求められます。

告げ口する(チクる)ことの是非

 最後に、「告げ口する(チクる)」ことの是非について考えます。

 基本的に、告げ口することはおススメしません!

 どんな目的であったとしても、必ずリスクを伴うからです。

 その目的達成 > リスク

 この場合の告げ口だけが、正当化される告げ口です。リスクを受ける覚悟をもっての告げ口だからです。

 教師や親は告げ口についてよく理解した上で、告げ口されたことへの対処をしたり、告げ口の是非について語らなければいけません。

 その告げ口は誰のためになるのか、何を成し遂げるためのものなのか。

 告げ口したことでのリスクを理解しているのか、理解した上での告げ口なのか。

 今回の記事は、「告げ口する(チクる)」という行動について深く考えてみました。

 今回はここまで!

 みなさんが、幸せな人生を送れますように!

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