こんにちは、darakeです。
今回の記事は、生徒同士でトラブルが発生した時、必ず直面する生徒の嘘についてまとめています。嘘を知ることで、嘘に惑わされない生徒指導を心掛けたいものです。
具体的な内容は次の3点です。
- 聞き取り調査の難しさ
- 嘘について知る
- 嘘をつかなくていい環境作りを
聞き取り調査の難しさ
生徒同士のトラブル解決は本当に難しいものです。何かトラブルが発生すると、双方から聞き取り調査をするのは学校(教師)の役目です。
ただ、学校は簡易な聞き取り調査しかできませんし、法に訴えることもできません。
そのため、生徒から正確な聞き取り調査ができるかどうかは、その生徒次第となります。
どんなに丁寧に聞き取り調査をしても、後で『言った・言わない』『やった・やってない』でトラブルになることが数多くあります。
それを防ぐ手段として、録音やメモをして記録に残しておくことが必要だと言われています。
しかし、記録に残していたとしても、次のような場合は真意を明らかにすることは困難です。
~学校で聞き取り調査をしたところ~
Aさん『私が殴りました』
Bさん『私も殴りました』
Cさん『AさんとBさんに殴られました』
~AさんとBさんに指導し、Bさんの保護者に連絡した時のこと~
Bさん『やっぱり殴ってません』
教師・Cさんとその保護者『え?今さらそれはないでしょ!!!』
この場合、Bさんが本当に「殴ったか・殴ってないか」を証明する手段を教師はもっていません。
Cさんがいくら被害に合ったと言っても、Bさんが『殴っていない』と発言を変えた以上、学校ではそこから追及する術はもっていません。
いくら録音しててもメモをしてても、何の証拠にもなりません。あくまでも録音やメモは、その時の発言内容を記録しているだけで、Bさん本人が発言内容を覆した場合は一気に効力を失います。
つまり、Bさんが『殴った』と一度は発言した証明はできますが、本当に殴ったかどうかの真意は証明できないということです。
このように、学校での聞き取り調査は非常に難しく、モヤモヤする思いを抱えることが多々あるわけです。
嘘について知る
さて、本題に入ります。
私たち教師が再確認しておくべきことは、生徒が嘘をつくことは容易に可能だということです。嘘はつかれたくないし、自分の教え子が嘘をついたなんて信じたくもないでしょう。
けれども、生徒は嘘をつきます!これを覚えておかないと、冷静なトラブル処理は不可能です。感情に流されて、大事なことを見失います。
人がつく嘘をわかりやすく定義してくれたのが、キンコンの西野さんです。
・嘘は「感情」でつくのではない。我々は「環境」によって嘘をつかされる。感情は環境に支配される。
・自分の意思を明確に表明する為には、意思を明確に表明できる環境を作っておく必要がある。
・人が嘘をつく理由は、嘘をつかざるをえない環境にいるからだ。
革命のファンファーレ 西野 亮廣著より
さらに具体的に、嘘は環境によってつかされることを、子どもの行動を例にして考えてみます。
子どもがコップを割った時に、『自分ではない』と母親に嘘をつきました!
それは、親が日頃から子どもの失敗に対して、理由問わずに怒っている環境のせいである。
それは、親が日頃から過剰に期待をかけ過ぎている環境のせいである。
それは、日頃から子どもの嘘に親がコントロールされている環境のせいである。
それは、真実を話しても不利益をこうむる環境のせいである。
これらの例からわかるのは、嘘をつかなくてもいい環境さえ用意できれば子どもの嘘はなくなるし、例え嘘をつかれたとしても、嘘をつかせた環境を改善すれば嘘をつくことを減らすことも可能なはずです。
では改めて、先ほどのBさんがついた2つの嘘を分析してみましょう。
①嘘をつかないと維持できない人間関係の中で過ごしている環境のせいで、周りから裏切り者というレッテルを貼られたくないがための嘘。
②認めないと許してもらえない教師による圧力を感じる環境のせいで、教師の圧力から解放されるための嘘。
①日常的に親や教師から怒られている環境のせいで、殴ったことで怒られることを防ぐための嘘。
②親が日頃から過剰に期待をかけ過ぎている環境のせいで、殴ったことで親からの評価を下げたくないための嘘。
③日頃から子どもの嘘に親がコントロールされている環境のせいで、親に自分を守ってもらうための嘘。
このように、何のための嘘かを分析して、生徒が置かれている環境を分析することで、次の嘘を防ぐことが可能になるかもしれません。
生徒指導において、嘘を知るってとても重要です。
嘘をつかなくていい環境作りを!
人間が集まるところにトラブルは必ず起きます。中学生という発達段階を考慮すると、間違いなくトラブルは起きます。
トラブルが起きること自体に悩むのは無駄です。
そして生徒は嘘をつきます。生徒が嘘をつく理由は、嘘をつかざるをえない環境にいるからです。
嘘をついた生徒を責めず、嘘をつかれた自分(教師)を責めるのもやめましょう。
問題なのは、嘘をつかざるをえない環境です。
教師はトラブルを解決するプロではないし、法を扱えません。教師の聞き取り調査には限界があり、警察や検察のように真実を明らかにすることはなかなかできません。
では、教師に何ができるのか?
生徒に嘘をつかれることすら見込んで、生徒が置かれている環境を考察して、生徒の嘘と向き合うことが求められるでしょう。
私たち教師は,嘘を見抜くことに必死になることから解放され,嘘をつかなくていい環境作りに一生懸命になるべきです。
未発達な学生時代は、教師と保護者が意図的に嘘をつかなくてもいい環境を作ることが大切です。
嘘をつかなくていい環境を作るには、教師・生徒・保護者の関係が一方通行ではなく、双方向の信頼関係を築くことが何より求められるでしょう。
そして、次の5つを意識して指導していきましょう。
・親や教師の理想で生徒を潰さないこと
・親が子供の言いなりにならないこと
・正直に話すことを承認すること
・過剰に圧力をかけないこと
嘘について理解し、生徒の嘘に惑わされない指導を心掛けたいものです。
今回はここまで!
みなさんが、幸せな人生を送れますように!
余談ですが、全く記事内容とは関係ありませんが、
子どもたちがスターウォーズにハマり、おもちゃのライトセーバーを買わされました。
そして、darakeはなぜか本格的なライトセーバーを購入しました…。
これが凄いんですよ!手に持った時の重量感と興奮は半端ないです。
ただ、妻には理解してもらえず・・・。
興味をもった方はコチラ↓
コメント