こんにちは、darakeです。
今回は、教師の服務についてまとめた記事です。
一度採用されて現場で働き始めると、教師の服務について考えることは皆無です。採用試験の時に何となく覚え込んだ気がしますが。
ということで、改めて勉強し直した内容を共有したいと思います。
具体的な内容は次の3点です。
- 服務とは
- 職務上の義務とは
- 身分上の義務とは
服務とは
まず、服務というのは、教師が服従しなければならない義務や規律を指します。
服従と聞くと恐ろしい感じがしますが、公立の教師であるならば地方公務員法を守らなければいけません。
地方公務員法30条(服務の根本基準)
すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
服務は大きく2つに分かれます。すべて地方公務員法に記載があります。
②職員たる身分を有することによる守るべき身分上の義務
ちなみに、地方公務員になった時、服務の宣誓というものがあります。
地方公務員として公共の利益のために働くので、地域住民に対して、「日本国憲法を尊重し、且つ、擁護する」ことを誓います。
まぁ、実際に宣誓した記憶はないんですけども。
職務上の義務とは
職務上の義務とは、働いている時に守らなけばいけない義務です。
大きく2つに分かれます。
②職務に専念する義務
法令等及び上司の職務上の命令に従う義務
地方公務員は、法律に従って働く義務があります。
自分勝手な判断で働いてはいけないという規定です。公務員は淡々と法に従って行動すると読み取れます。
実際の教育現場では、己の判断で行動することが多々ありますが、原則としてそうなっていると覚えておくといいでしょうね。
職務に専念する義務
地方公務員は、自分の職務に集中して取り組まなければならないということです。
当たり前なので、これ以上まとめることはないです。
ただ、この義務が免除される時があります。それを職務専念義務の免除、通称「職専免」と言います。
わかりやすい例として、
・校外研修
・休憩、休日、年次有給休暇
・育児休業 等々
意識していないところで、職務専念義務の免除が適用されていますよね。
身分上の義務とは
身分上の義務とは、全体の奉仕者として、職場でもプライベートでも守らなければならない義務のことです。
公務員って色々面倒なんですよね。給与の出どころが税金のため、文句言えない立場なんですが。
教職員は公務員として、生徒・保護者・地域住民の信頼を失なうような行為は厳禁なのです。
身分上の義務は5つに分かれます。
②秘密を守る義務
③政治的行為の制限
④争議行為等の禁止
⑤営利企業等の従事制限
信用失墜行為の禁止
教師は、信用を落とし、信用を失う行為は禁止されています。
公務員は全体の奉仕者という立場なので、個人の言動の重さというのは意識しておかなければいけません。
一人の教師が信用失墜行為を行うと、個人の問題だけでなく、学校の信用、教育の信用を失ってしまうのです。
信用失墜行為の例を以下に示します。
・窃盗、万引き
・わいせつ行為
・体罰
・情報漏洩
・不正経理、公金横領、リベート収受、贈収賄
・地位を利用した不法行為
・ハラスメント行為
自分が関わってしまった時のことを想像すると、恐怖ですね・・・。
どれも気の緩みから発生する行為だと思います。
信用失墜行為は、教師だからやってはいけないというよりも、常識ある大人として越えてはいけない一線でしょう。自分だけではなく、家族を含め多くの人々の人生を狂わせてしまうでしょう。
一時の感情に振り回されず、欲求を制御して、十分に気を引き締めましょうね。
秘密を守る義務
その名の通り、生徒に関する情報は全て他の人に漏らしてはいけません。
家族にもです!そして、退職後もです!
生徒に関する情報とは、家族構成、住所や電話番号、成績や行動の記録、健康診断の記録などです。
だから、生徒や保護者の愚痴を彼氏・彼女に話すことは際どい行為なんです・・・。
とはいえ、時々妻に聞いてもらい、自分の中のモヤモヤを吐き出すこともありますけどね。公務員とはいえ、人だしね。
政治的行為の制限
制限といいますが、ほとんど禁止に近いと思います。
特定の政党を支持するのはダメ、特定の政党に反対するための政治教育もダメ、政治的活動もダメです。
政治に関しては、完全中立の立場でなければいけないようです。
○○内閣はあまり・・・だから、○○党に投票しない方がイイね。
○○知事はとても・・・だから、次も投票した方がイイね。
なんてことを、安易に生徒の前で話しちゃダメなんですね。
新採用の時、組合活動で選挙のビラ配りをやらされた覚えがありますが、完全にアウトな行為だったんです。当時は何にも知らないで行動してました。
ただ、ビラは全部シュレッダーして、やったフリしてましたけど・・・。
争議行為の禁止
争議行為とは、憲法28条(勤労者の団結権及び団体行動権)で保障されている権利です。
いわゆるストライキですね。労働者側が使用者側に対して行う行動で、自らの主張を通すために集団的に仕事を放棄することです。
ただ、公務員にはこれが認められていません(社会科の公民で習ったよね)。
民間とは異なり、公務員という特殊な立場によるものです。
給与アップしてくれないなら、授業やらないぜ!!
というのは、教師には認められていない行為なのです。
ちなみに、またまた新採用の時、何も知らずにストライキに参加したことがあります・・・。
当然、厳重注意を受けました。しかも、減額もされてたらしい(後から知ったよ)。
無知って怖いです。
営利企業等の従事制限
教師は副業(複業)禁止です。
営利企業を営んだり、報酬を得て事業に従事したりすることには制限がかかっています。
教師をやりながらコンビニでアルバイトしたり、株式会社を設立して営むことはできないのです。
なぜなら、公務員は一部の奉仕者ではなく、全体の奉仕者だからです。
ただし例外があり、教育公務員は教育に関する兼職・兼業ができるのです!(教育委員会によって承認された場合)
darakeも大学の臨時講師をやっていた時期があります(当然、報酬を受け取っています)。
きちんと届け出をして、承認されるとアリなんです。
大きな声では言えませんが、結構抜け道があったり、都道府県・市町村ごとに対応が違ったりするみたいです。
おわりに
公務員って特殊な身分ですよね。改めてそう思いました。
経済的に安定していることばかりクローズアップされますが、かなり言動に制限がある職種でしょう。
オールド世代がよく言う言葉です。
『公務員は安定している』『将来は公務員がおススメだ』
どうかなと疑問を抱きます。
公務員の特殊性を知った上で、子どもたちには職業選択させたいですね。安易に選択すべき職種ではないと思います。
今回、教師の服務について勉強し直してみて、身が引き締まる思いをしています。
改めて、学ぶって大切ですね。
今回はここまで!
みなさんが豊かな人生を送れますように!
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