こんにちは、darakeです。
今回は、『休日の部活動を地域委託する』という文科省の方針について、現場の意見を述べさせてもらう記事です。
部活指導に疑問をもっていた人や専門外指導で困っていた人には、ぜひ読んでもらいたい記事となっています。この文科省の改革を、良い形で成立させたいですよね。
具体的な内容は次の3点です。
- 文科省の改革方針
- メリット・デメリット
- 課題
文科省の改革方針
2020年9月1日、文科省が部活動についての改革案をまとめました。
よく知らない人のために、ざっくりと要点をまとめます。
・まずは、公立中高の休日の部活指導を教師に求めない。
・休日の部活指導は地域や民間団体へ委託する。
・具体的には、地域団体、総合型スポーツクラブや芸術文化団体へ委託。
・休日指導を望む教師は、兼職・兼業として可能にする。
・2023年度から段階的な導入を目指す。
・将来的には平日も地域主導にする方向。
この改革案を素直に受け取るならば、

めっちゃええやん!
当ブログの中で何度も提案した、『部活指導は本来教師の業務じゃないから、希望制にすべきだよ!』が反映されている改革案です。


ただ、これが実現可能なのか夢物語で終わるのか、メリットとデメリットについて考えてみましょう。
メリット・デメリット
ここからは、文科省改革案について、教師側のメリットとデメリットについて整理します。
①部活指導を望まない教師は土日休みになる!
②専門外で指導せざるを得なかった教師が助かる!
③熱心に指導したい教師にとっては、副業として収入源になる!
④専門指導したい人・専門指導を受けたい生徒のマッチングが可能になる!
①平日指導者と休日指導者が変わることで、混乱が生じる可能性が!
②休日部活指導費(微々たる額)として受け取っていた収入が減る。
教師にとっては、メリットの方が多い改革案だと思います。
出来ることなら、休日だけと言わずに、一気に平日も地域・民間主導にした方が混乱は少ないのかなと思っています。
課題
重要なことは、これが実現可能かどうかです。
ここからは、文科省改革案の課題について考えます。
本当に地域や民間が受け皿となれるのか。
例えば、市内にサッカー部が10校あるとして、そこで活動している選手をどう振り分けるのか。クラブチームがあればいいが、そこまでモチベーションが高くない選手はどこでプレーするのか。新たにそういう選手を対象としたクラブチームや練習場所を作るのか。絶対に田舎は苦しくなってくる気がします。
本当に指導者が集まるのか。正当な報酬を出せるのか。
中には無償でもそのスポーツ愛が強くて、指導をしてくれている人も存在します。とはいえ、そういう人たちだけでは足りないでしょう。きちんと報酬を出さないと、『ボランティアでお願いします!』では、この改革は実現しないでしょう。人と金の問題をクリアできるかです。
本当に教師と部活指導を切れるのか。
順調に指導者が集まるといいですが、万が一指導者が足りない地域が出た時に、指導を望まない教師に頼られても困るわけです。結局蓋をあけたら、中学校教師が指導せざるを得ない状況なんてことはやめてもらいたいですよね。
平日もセットにしないと絶対に運用しづらくなるのでは。
今回の改革案はまずは休日からということですが、平日も一気に改革しないと絶対に混乱が生じます。なぜなら、平日は中学校教師が指導して、休日はその教師ではなく他の人が指導するということが起こりうるわけです。指導者も生徒も全員やりづらいでしょ!
だからといって、休日の指導者が平日の放課後(15時30以降)も指導できるかどうかは、時間と金の問題が関わってくるし、中学校教師が休日も指導するかは、個人の熱量の問題となります。
中体連・中文連主催の大会を整理できるのか。
中体連主催の大会では、学校単位での出場が義務づけられていて、クラブチームや地域団体は出場できないという縛りがあります。これを打破しない限り、改革は成功しないでしょう。
しかも、大会運営は中学校教師が担ってきたので、そこの人材確保も課題です。とにかく、風通しのよい大会を作れるかどうかが鍵になるでしょう。
とりあえず、課題を5つ挙げました。これらの解決策が具体的に見えてくると、文科省の改革も実現可能なものとなるでしょう。
おわりに
部活動の地域委託が実現すると、教育界が大きく変化します。
多くの中学校教師にとって、部活指導の負担がなくなるというのは、何よりも大きな働き方改革です。希望者だけが指導に関わるというシステムを構築できるのは、まさに最高です!
放課後の部活指導がなくなれば、本来の授業準備や担任業務に時間をかけることができます。浮いた時間を利用して、自己研鑽に励むこともできるでしょう。
やりたくもない業務に時間を奪われるのは、ナンセンスです(部活指導は本来の業務ではない)。今まで異常だった仕事場が、健全な姿になるのです。
文科省には、この改革を成功させる義務があります。ぜひ、みんなで応援しましょう!
今回はここまで!
みなさんが、幸せな人生を送れますように!
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