新学習指導要領での「粘り強さ」の評価は対話が正確か!?

学習指導のこだわり

 こんにちは、darakeです。

 今回の記事は、主体的に学習に取り組む態度を評価する上でのポイントとなる「粘り強さ」について考察しています。

 主体的に学習に取り組む態度の評価についての記事はコチラ↓です。

 具体的な内容は次の2点です。

  1. 粘り強さは興味・関心と夢中が全て
  2. 粘り強さは対話で評価

粘り強さは興味・関心と夢中が全て

 主体的に学習に取り組む態度を評価するには、粘り強さの見取りが必要となります。

 知識・技能の獲得や思考力・判断力・表現力を身につけるために、どれだけ粘り強い取り組みができたかを評価します。

 そこで、粘り強さとは何かを改めて考える必要があります。

・根気や忍耐力がありなかなか諦めないさま、よく耐え忍ぶさま (実用日本語表現辞典)
・よく物事に耐え忍ぶ性質である (三省堂大辞林)

 ここで一つ疑問が。

 「耐え忍ぶ」って言葉にあんまり良い印象をもてないってことです。辛いことや苦しいことを我慢するって意味なので、この「耐え忍ぶ」という意味で受け取らない方がいいでしょうね。

 『学習は辛く苦しいものなので、我慢して耐え忍ぶことが大切です』なんて教えちゃマズイでしょ!そうなっている子どもはたくさんいますが、本来の学習の趣旨ではないですよね。

 なので、粘り強さ=根気・諦めないという意味で受け取るべきですね。

 根気・・・一つのことを長く続けて行う気力 (三省堂大辞林)

 となれば、嫌いなことや興味がないことに対して粘り強く取り組むのは難しいかもしれません。

 以前から、学びには興味・関心と夢中が何よりも重要と主張しています。

 興味・関心についてぶっ飛んだ記事がコチラ↓

 夢中についての記事がコチラ↓

 つまり、生徒が粘り強く取り組むための土台が必要で、それが2つあると思っています。

(1)興味・関心が高い教科を学習すること
(2)特定の何かに夢中になること

 まず、興味・関心が低い教科に粘り強く取り組むことは非常に難しいということです。自分の学生時代を振り返れば説明はいらないでしょうね。興味がない・嫌いな教科の時間って苦痛だったでしょ?

 教科担任は、出来るだけ生徒の興味・関心を高める工夫をしなければなりませんが、全生徒をそうすべきというのは理想でしかありません。

 darakeは、興味・関心が高い教科とそうではない教科があるのが当然だと思っています。もっというと、苦手な教科はあっていいとさえ思っています。

 ただ、興味・関心がそれほど高くない教科でも、テストの点数や評価が高い生徒はたくさんいます。

 (1)を満たしていない生徒だとしても、(2)さえ満たしていれば粘り強く取り組むことが可能だということです。

 次のような生徒が存在します。ゲームのレベル上げのように、点数をアップさせることに夢中になる生徒もいるのです。これを否定することはできません。

・興味・関心が高い教科ではないが、進学に必要な内申点アップのために夢中で学習する。
・興味・関心が高い教科ではないが、点数や成績を上げるという目的のために夢中で学習する。

 とにかく点数や評定をアップさせるために夢中で学習した結果、その教科の興味・関心が高くなることもあるわけです。

 つまり、教科担任の役割は生徒の中に(1)と(2)のどちらかの土台を築くことが重要となります。

 その上で、粘り強さの見取りをしていかなければいけないのです!

粘り強さは対話で評価

 では、生徒の粘り強さを評価する方法を提案します。

 粘り強さ=根気・諦めないと捉えるのであれば、試行錯誤の様子や継続性の見取りをしなければいけません。

 つまり、課題解決のために仮説検証の繰り返しが出来ているかを評価するのです。そして、どんな仮説を立て、どのように検証をしたのかも評価します。

 この考え方では、検証結果から仮説の間違いに気づき、新たな仮説を立てて検証をやり直した生徒がA評価の対象となるでしょう。

 当然、学習課題をスムーズに解決する(1回の仮説検証で答えを導き出す)生徒は、問答無用でA評価になります。※学習内容によっては、「粘り強さ」を発揮する必要がないまま課題解決してしまう優秀な生徒もいるでしょう。

 ここで教科担任の手腕が問われるわけです。どんな課題を提示するかが重要になるわけです。あっさりと「正解」が出るような課題では、粘り強さの見取りは難しいのです。

 仮説検証をする必要があるような課題設定がマストになりますね。

 具体的な評価方法としては、次の2点が有効な手立てかと思います。

①従来からの方法であるノートやワークシートの記述からの見取り
②対話からの見取り

 ①と②の方法はそれぞれ一長一短あります。次の表にまとめます。

 
見取り△ 生徒の内面まで踏み込めない○ 1対1でじっくり行うことが必須
記録○ 従来通り提出させる○ 確実にメモや録音が必須
効率○ 単元終了ごとでの提出が可能△ 対話の時間を確保することが課題

 それぞれの長所と短所を踏まえた上で、darakeは対話での見取りを重視したいと思います。

 もちろん、ノートやワークシートの提出もMIXして評価しますが、対話する時間を生み出す工夫をしたいと思います。

 今思い浮かぶのは、昼休みや放課後を利用して数名ずつ分けて対話を実施しようとしています。おそらく、やり始めてから欠点が見つかるはずなので、実態に合うように修正したいと思ってます。

 対話することで、生徒の中に土台(興味・関心の程度、夢中になっているのか)があるかどうかや、試行錯誤の様子(仮説検証の内容)と継続性(仮説検証の繰り返し)の見取りもできます。

 短い時間の対話になることが予想されますが、見取りだけで終わらずに、見取った結果からアドバイスが出来るのも対話の長所でしょう。

おわりに

 今回は、主体的に学習に取り組む態度を評価する上でのポイントとなる「粘り強さ」について考察してみました。

 やはり、とても難しいと感じます。新学習指導要領を読んだだけでは、実際の評価はできないでしょう。というか、具体的な評価方法が示されていないのも問題です!初任の教師はどうするの?

 現場の教師は生徒のための評価にすることを忘れずに、効率良く運用できるシステムを自分なりに構築する必要があるでしょう。これも仮説検証の繰り返しですね。

 今回は、darakeの仮説を紹介しました。後日、全然内容が変わっていることもあり得ます!笑

 今回はここまで!

 みなさんが、幸せな人生を送れますように!

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