こんにちは、darakeです。
今回の記事は、生徒へ評価・評定を伝える時の大切なポイントについてです。教科担任はぜひ目を通してください。
具体的な内容は次の2点です。
- 評価・評定に関わってのトラブル
- 『思い』は自らの言葉でを伝える
評価・評定に関わってのトラブル
まず、通知表(成績表)を配付する時に想定できるトラブルをイメージしてみてください。
なんで保体の評定が5じゃないんだ!
どうしてうちの子の数学の評定が5にならないんだ!
評価・評定に関するトラブルの多くは、教科担任と生徒・保護者との間の認識の違いです。
生徒・保護者は、何らかの手応えをもっているわけです。高評価をもらえると思っていたがそうではなかった時に、『?』がつき不満に思うのです。
評定『1』だと思って『3』がついた生徒・保護者は、不満には思いません。不満がないということはトラブルにもなりません。
『?』⇒『不満』⇒『納得できない』という流れでトラブルに発展していきます。
生徒の手応えの多くは、目に見える結果(テストの点数)です。当然といえば当然で、テストは自分の手元に返ってくるので印象にも残りやすいです。そして、保護者も目にします。
期末テストで90点を取ったのに『5』の評価がつかなかった時、ある生徒・保護者は疑問に感じるかもしれません。
ただ、教科担任からすると、テストで90点取っても『5』がつかない場合は往々にしてあるわけです。
なぜなら、評価・評定はテストの点数だけで決まるものではないからです。
もう一度言います!
評価・評定はテストの点数だけで決まるものではないのです!
このことを理解していない生徒・保護者は、まだ数多く存在しています。
例え知ってはいても、テスト結果の印象が強すぎて、テストの点数=評価・評定と勘違いしてしまうのでしょう。
評価・評定の観点についてはコチラ↓
テスト以外の評価項目としては、
- ある課題に対してのレポート
- 単元ごとに実施する単元テストまたは小テスト
- 授業の中での発言や記述
- 課題に取り組む意欲・態度、粘り強さ
- 取組の過程(ワークやノート)
- 製作物、パフォーマンス、表現(実技教科) 等
教科担任は、以上の項目を総合的に判断して評価・評定を決定しています。しかし、生徒・保護者にとっては、テストの点数を超えるインパクトがないのも事実なのです。
美術の製作物の評価や音楽の合唱の評価等は、あまり生徒・保護者に対して詳細には提示しません。おそらく、提示されたとしても、いちいち記録として残しておく家庭は少ないでしょう。
つまり、教科担任は総合的に評価・評定をしていても、生徒・保護者にはそれが伝わりにくく、テストの点数が1番わかりやすいというのが事実で、ここにトラブルの種が埋まっているのです。
『思い』は自らの言葉でを伝える
では、トラブルなしに評価・評定を伝えるにはどうすればいいのでしょうか?
結論から言うと、通知表(成績表)だけ渡して終わりではダメです。
学級担任が渡す時に、コメントをしながら手渡す様子をよく目にしますが、これだけでは不十分です。この方法では、教科担任の『思い』までは伝わりません。
教科担任の『思い』は、教科担任が言葉で伝える必要があります。
どんな『思い』を伝えるかというと、今後の見通しと具体的な目標です。
ある生徒に、『5』の評定をつけた場合でも、教科担任は複数の『思い』を込めています。
- 文句なしの好成績、今後にも期待
- ギリギリの『5』で、今後の取組によっては『4』に下がるかも
- (2学期)『4』から『5』に上がってから努力を継続してほしい
このような『思い』は、紙面だけで伝わるでしょうか?もちろん担任が補足説明するには無理があります。
また、評価・評定をつけづらい生徒というのが存在します。それは、急激に上がったり、下がったりする生徒です。
例えば、1学期『5』をつけたのに、2学期で急激に下がった場合、『4』をつけるべきか『3』をつけるべきか悩みます。どこまで下がってしまうのか悩むのです。
なぜ悩むかというと、評価・評定の最終決定は学年末だからです。高校入試に必要になるのも各学年の学年末の評価・評定です。
学年末についた評価・評定は、それ以降覆すことが不可能なのです!
他の例として、1学期『3』をつけたのに、2学期で急激に上がった場合、『4』をつけるべきか『5』まで上げるべきか悩みます。どこまで成長するのかを悩むのです。
1学期『3』で2学期『4』をつけた場合、学年末に『5』はつけづらいのです。
1学期から2学期は、4月から12月末(実質7か月程度)までの評価・評定です。
3学期は1月から3月まで(実質2か月程度しかない)授業があります。
割合として、3学期分の評価・評定はどうしても低くなってしまいます。
つまり、2学期までに限りなく『5』に近い評価・評定がついていない生徒には、学年末に『5』はつかないのです。
なので、1学期『3』⇒2学期『4』⇒学年末『5』は暗黙のルールで避ける傾向があります。
1学期『3』⇒2学期『4』⇒学年末『4』が妥当です。
1学期『4』の上⇒2学期『4』の上⇒学年末『5』はあり得ます。
レアなケースとして、1学期『3』の上⇒2学期『4』の上⇒学年末『5』は存在しますが、ならば、2学期の段階で『5』をつけておいた方が整合性が保たれるわけです。
このように色々な複雑な『思い』を抱えて教科担任は、評価・評定をつけているわけですが、通知表に記載された数字はただの『1』から『5』です。
どう考えても、紙面だけでは説明足りないと思いませんか?
だからこそ、教科担任は授業の中で、生徒一人ひとりにどういう『思い』で評価・評定をつけたのかを伝えなければいけないのです。
darakeだったら、次のように伝えています。
今回は『4』をつけたよ。『5』をつけるには〇〇の部分の点数が足りなかった。だから、次の学期では〇〇の部分の努力をしてくれたら『5』の可能性があるよ!
今回は『5』をつけたよ。でも、次の学期でサボったら『4』に下がる可能性があるよ!だから努力を続けてね。
今回は『2』をつけたよ。でも、『1』に近い『2』だから、もう少し努力してくれないと、『1』をつけなければならないよ。『1』はつけたくないから頑張って!
とにかく、具体的な数値を伝えたり、努力の程度によって起こり得る未来を示すようにしています。そして、極力『1』をつけなくてもいいように教科経営をしています。
だって、『1』をつけたということは、自分の力量の無さを明示していることになるじゃないですか。
おわりに
学校によっては、教科担任の説明時間を共通設定している学校もあります。
もしそうなっていないのであれば、若手教員の方々は絶対に授業の中で『思い』を伝えるようにしましょう。
そうしなければ、最初に言ったような『?』⇒『不満』⇒『納得できない』という流れでトラブルに発展する可能性があります。
トラブルになると、教科担任へ不信感をもたれてしまいます。
自分の身は自分で守ることが大切です。
一人ひとり個別に伝えることは面倒に思うかもしれませんが、やっぱり丁寧に個別に伝えることが一番重要だと思います。
教科担任と生徒・保護者との間の『思い』の相違は、できる限り減らしていきましょう。
今回はここまで!
みなさんが豊かな人生を送れますように!
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