静岡市立大里中学校の試み、フレックス制|公立学校初の試みはどうか?

職場環境

 こんにちは、darakeです。

 自分の信じていることや正しいと思っていることを批判された時、すぐにイラッする自分が情けなくなります。多様な考え方があるので、他者を受けいれる広い器を求めていますが、まだ醤油皿ぐらいしかないので努力します。

 今回は、すごく気になるニュースを見つけたので、そのニュースの可能性についてまとめます。

静岡市立大里中 教師勤務にフレックス制導入

フレックス制の概要

静岡市立大里中学校が,次年度の4月から「フレックス制」を導入する。
その内容は,教師が勤務時間を二通りから選択できるというもの。
具体的な勤務時間は,
・通常勤務(8時15分~16時45分)
・遅番勤務(9時30分~18時)
部活顧問であっても,通常勤務であれば16時45分に帰宅可で,その後は遅番の教師が最後まで部活動を見守る。
通常勤務と遅番勤務の人数バランスは,私用や授業時数などを加味して調整する。部活動がある日は,1学年に最低でも1~2人の教師が遅番になるように配慮する。
生徒の下校時間もきちんと定め,部活動の活動日は火・金曜の2日で,16時~18時まで。月・水・木曜は部活動なしで,17時までに下校となる。
教師の勤務時間の管理は,学校長に権限が与えられているので,大里中の校長は,公立中学校で全国にも例がない斬新なアイディアを導入することになる。  出典元:中日新聞 CHUNICHI Web

 この制度をどう捉えるか?

 すごく斬新なアイディアで、イイと思います。学校長に勤務時間の管理権限があるのなら、大里中にならってすぐに導入可能じゃないですか?

 自校に導入したことを想定して、どんな課題があるか考えてみましょう。

フレックス制の課題は?

 

 

 この制度を自分の学校に導入したと想定して、今考えられる課題は次の5点です。

①朝の学活
②部活指導の途中退勤
③平日の部活活動日
いつ選択するのか
⑤この制度で勤務時間を守れるか

朝の学活

 朝の学活は、担任が行くという思い込みを変えることができるかですね。担任が遅番の時は、朝の学活時はいないので、通常勤務の学年の教師が行く仕組みができれば、この課題はクリアされると思います。

 今まで以上に、学年に関わる教師全員で担任をするという意識が必要ですね。

 そして、遅番教師は職員の朝の打ち合わせや学活には参加しないので、打ち合わせ内容や生徒の様子を共有できる仕組みが必要です。職員室内の掲示板やネットを利用して共有することで解決できます。

部活指導の途中退勤

 通常勤務の教師は、勤務終了時間までは部活指導をして、その後は遅番教師にバトンタッチをします(生徒は16時~18時まで活動)。

 その部の指導者が帰るということは、指導者は不在になります。遅番教師は、その部に関係がないので指導はできません。あくまでも見守りなので、きちんと活動が終わり、下校するまでの確認となるでしょう。

 となると、その日部活を指導する教師が遅番勤務を選ぶといいのか?

 部活活動日は、平日2日なので、勤務時間内に部活指導が終わるのであれば、今までよりはイイですよね。

 ただ、部活指導はあくまでも自発的活動なので、本来の業務が残っていて18時以降にやるとなると、退勤時間はやはり遅くなるので、今後も部活動の位置づけと業務の精選は必須でしょうね。

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平日の部活活動日

 大里中では、平日の部活活動日を火曜・金曜の2日に設定しています。

 そもそもフレックス制に加えて、この設定もなかなかの改革です。これを納得させられるかがポイントでしょうね。生徒を納得させられるか、保護者を納得させられるか、教師を納得させられるか。

 平日2日部活が実現すると、2日間遅番勤務を選択し、部活指導だけやり、本来の業務をやらずに退勤すれば18時過ぎには退勤できます(理論上はね)。

 そして、残りの3日間は部活ないわけなので、本来の業務にまわす時間が増えるのではないでしょうか。放課後の時間が、通常勤務であれば約1時間、遅番勤務であれば約2時間確保できます。

 フレックス制+平日2日部活が実現できると、働き方がかなり効率よくなる気がします。やはり、自校では部活活動日がポイントになるでしょう。

いつ選択するのか

 実際の運用となると、通常勤務か遅番勤務にするかを、いつまでに選べばいいのかが重要です。

 週末(金曜日)には、生徒に次の週の時間割を知らせるので、最低でもその週の木曜朝には次週の時間割は確定していなければなりません。つまり、次週の勤務体制を選択するのは、前の週の金曜決定がベストで、遅くてもその週の月曜日朝には確定していないと、時間割を作成する教師に負担がかかります。

 フレックス制の選択をする教師は、常に10日後の予定を考慮しながら、通常勤務か遅番勤務を選択していくわけです。そして、それが提出されてから、偏りがないように調整する役割が必要になります。

 最低でも、朝の学活のために通常勤務の教師が学級数必要で、下校指導のために遅番勤務が部活数必要でしょう。さらに、本来の授業時数の調整もあるので、時間割係の教師は慣れるまで大変そうですね。

この制度で勤務時間を守れるか

 勤務時間を2つに分けても、それぞれの勤務時間内で、業務を終了させることができるかがポイントです。

 通常勤務の教師が18時以降も残って仕事をしていたり、遅番勤務の教師が朝7時から仕事をしているようなことが起こってくると、この制度は意味がなくなるような気がします(緊急時は別として)。

 そのためには、業務の精選や部活の問題は、フレックス制と合わせて必要なのかなと思います。

 さらに、教師が勤務時間を意識して、効率よく仕事をすることも大切です。教師の仕事には終わりがないものもあります。突き詰めれば突き詰めるほど、時間が必要になってきます。時間は有限ということを頭に置いて、仕事をしていく必要があるでしょう。

まとめ

 まぁ、色々と課題を考えてみましたが、darakeはこのフレックス制に今は大賛成です!!

 ぜひ、自分の職場でも導入したいと思います。そして、課題についても考え続けようと思っています。

 新しい制度を導入すれば、メリットとデメリットが存在し、それを叩く人も出てくると思います。でも、公立学校で初の試みは、すばらしいなと感じます。

 現場の実態に応じた改革のような気がします。きっと運用しながら、修正を繰り返していくのだと思います。この大里中には注目したいです。ぜひ、批判に負けずに全国のモデルになってほしいですね。

 そして、それをお手本に、全国の学校でも導入していくような流れになることを期待します。そのためには管理職のパワーが必須ですね。今のdarakeでは校長にはなれないので、現校長たちに期待するしかありません。ただ、アプローチはできますね!

 今回はここまで!
みなさんが、幸せな人生を送れますように!

 

 

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