教師自ら中学校の役割を明確にすべし!|出来ることだけ質の向上!

自己研鑽

 こんにちは、darakeです。

 テスト結果通知表を生徒に返却したところ、『先生、合計点が間違ってます!(ドヤ顔)』と言ってきた生徒がいたので、確認したところ間違ってませんでした。

 うん、だろうね…。Excelの関数で計算してるし、他の生徒は間違ってないし、わかってはいたけど、一応計算機で一緒に確認したところ、間違いなし!

 生徒『あ、はい…』⇒帰宅。

 あのドヤ顔は何?何を根拠に言いにきたんだろう。中学生は摩訶不思議アドベンチャーです。不思議な体験でした。

 大阪のスマホ容認問題が話題になっているので、改めて中学校の果たすべき役割について整理したいと思います。ちなみに、スマホの使い方指導は家庭ですべきです。

わかるように,できるように。

 わからないことをわかるように、できないことをできるように。

 これが全てでしょう。 


授業前、「下剋上」と「戦国時代」の関係性がわからなかった生徒が、授業後に隣の人に説明できるようになりました。つまり、わかるようになりました。これを数日後にテスト問題として出題し、それを解くことができて、4点ゲットしました。

 中学校の役割として、この授業後にはすでに役割果たしてますよね?さらに、数日後にもテストに出題して解かせているので、また役割果たしてますよね?

 これを積み重ねていくことが、「わからないことをわかるようにする」です。

 例え、この生徒がテストで間違ったとしても、授業後にはわかっていたので役割果たしてますね。

 テストで間違ったのは、ド忘れしたか、復習せずに長期記憶になっていなかっただけでしょう。厳しい言い方すると、生徒個人の責任です。短期記憶から長期記憶にするのを怠ったわけですから。

 おそらく、多くの教師が復習の重要性を説明し、ウザイぐらい伝えているはずです。それを怠ったのは生徒なわけですから、テストで解けなかったとしても中学校の責任ではないでしょうね。

 ちなみに、家庭学習については、学校側に責任はないですよ。字の通り,家で行う学習ですからね。

 しかし,実態は宿題を出したり,家庭学習ノートを提出させたりと,教師側が何とか工夫し,嫌でも勉強せざるを得ない環境を作っています。そのことに文句を言う保護者は,実は正しい。

『宿題が多くて自由な時間がない』『やらされている学習に追われ,本当にやりたいことがやれていない』

 全てその通りだと思います。もし、保護者からこのようなことを言われたら、すぐに宿題や家庭学習の提出義務はやめましょう。

 逆に,『宿題が少ない』『なぜ,もっと出さないのか』と言ってくる保護者は全く意味がわかりません!

 なぜ、学校が家に帰ってまでの学びまで面倒見る必要があるのでしょうか?

 これは、本来保護者がやるべき問題でしょう。

 それでも教師はお人好しで真面目な人が多いから,要望通りに宿題を多く出す。そうすると,生徒からは反感を買う場合もあります。こんな理不尽があっていいのでしょうか?

 中学校が果たすべき役割を、きちんと整理することが大切です。

コミュニケーションスキルの育成

 

 

 コミュニケーションスキルは,一人では絶対に身につきません。

 学校の勉強は意味ないと言う人もいますが、テストに出るような勉強だけが、中学校の役割ではありません。

 集団の中の一人として、人と関わり,喜怒哀楽を感じ,理不尽なことに出会い,それらを乗り越えることでコミュニケーションスキルが身についていきます。

 そして、この集団とは多種多様な人がいることが大切です。自分のことを理解してくれている人、言うことを聞いてくれる人だけの集団ではダメです。なので、学校は最高の学びの場です。

 中学校で育成しなければならない具体的なコミュニケーションスキルとしては…

①話の聞き方
②意見や思いの伝え方
③自分を知ってもらう方法
④相手のことを知る方法
⑤相手の立場になり考える方法

 これらを特に意識して、育ててあげることが求められます。もちろん、中学校だけで育成できるものではありません。家庭や地域がベースになります。

 これらのスキルについて、自分の思いを伝える⇔人の話を聞く、自分を知ってもらう⇔相手のことを知る、等のようにバランスが大切です。このバランスを上手にとれる人は、中学校卒業後、大抵の分野で活躍できる人物になると思います。

自立するために必要な力の育成

 

 

 ここでは、中学校で身につけるべき力に限定して考えます。

 あまり多く挙げ過ぎて、理想論で終わってしまうのはもったいないので、3つに絞ります。

①有益な情報を判断する力
②情報編集力
③今よりもさらに良くなろうとする力

有益な情報を判断する力

 ネット社会では、いかに有益な情報を集められるかが重要になっています。膨大な情報を全て鵜呑みにせず、疑い、批判しながら自分が有益だと判断できる情報を収集できるかどうかです。

 ポイントとしては、自分が有益だと判断することです。これは、1つの発信元だけで判断することはできません。複数の情報を取捨選択して、判断することが大切です。しかし、その判断を誤ることもあります。それはそれでいいのです。「判断を誤った」経験を積み重ね、判断する力を育成することが求められます。

 一つの側面から判断することなく、多面的に見て、判断できるように育てたいものです。

情報編集力

 この力については、このブログでも何度も取り上げています。藤原和博さんが提唱している力で、正解のない「問い」に対して、自分の知識や経験をつなげて、自分と他者が納得できる「納得解」をつくる能力を指します。

 自立するためには、正解のない「問い」に対して、「納得解」をつくり続けていくことが必要だと考えます。これは全て一人でつくるわけではなく、他者と関わりながらつくるものでもあります。

 この情報編集力は、中学校から少しずつ育成する必要があるでしょう。100%は求めていませんが、卒業後にスムーズに積み上げていけるような土台作りはしておくべきです。

今よりもさらに良くなろうとする力

 「できないことができるようになった」で満足せず、「他のこともできるようになりたい!」と思う生徒になってもらいたいと願います。

 成熟社会になり、「これぐらいでいい」ではなく、常に自分をアップデートし続け、「これもあるのでは」「さらにできるのでは」と貪欲に成長できる人が幸せになれるのではないかと考えます。

 自分が関わった生徒には、将来幸せな人生を歩んでほしいと願うのは当然でしょう。

 大幅な進化でなくてもいいので、数ミリ、数センチでいいので、今より良くなろうとする力をもつ人が素敵です。そういう生徒を育てることが、中学校の役割だと考えます。

まとめ

 現場では、数多くの仕事(雑務も)があり、それに追われている教師がたくさんいます。

 そんな中、中学校では何を優先的に育成すべきかを整理しておくことが大切ではないでしょうか。それが出来れば、働き方も変わってくると思います。どうでもいいものは、適当に流すことも時には必要です。

 時間は有限です。限られた時間の中で、効率よく質の高い教育をしたいものですね。

 今回はここまで!
みなさんが、幸せな人生を送れますように!

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