こんにちは、darakeです。
今回の記事は,コミュニティスクール(CS)と現場との関わりについてまとめています。
発展途上のシステムであり,疑問を抱えている教師も多いのではないでしょうか。現場で感じている課題と運用方法を,学校側の目線で紹介します。
具体的な内容は次の3点です。
- コミュニティスクールとは
- 地域コーディネーターとは
- 具体的な地域コーディネーターとの関わり
コミュニティスクールって何だ?
保護者や地域住民が学校運営に参画する「学校運営協議会制度」を設置してある学校のことです。
ちょっとよくわかりませんね。
さらに噛み砕くと,地域と学校が協力して子どもたちを育てましょう,そのために学校内に話し合う場を設置しようという制度です。
CSは教育委員会が設置して,地域の実情に応じた議会の在り方を決定していきます。
そのため人材配置の決定権は教育委員会がもっています。これがなんかセンスない気がします。
教育委員会が任命するとなると敷居が高くなりますよね。教育関係者であれば『教育委員会行け!』といわれてもあまり違和感がありませんが,そうではない人にとっては抵抗感ありますよ。
だから若い人材はなろうとも思わないし,ボランティア色が強いので時間に余裕のある高齢者ばかりが集まります。
CSの主な役割は3つあります。
・学校運営について意見を述べることができる。
・教職員の任用に関して,意見を述べることができる。
※個人を特定した意見ではない。
『〇〇先生は子どもから嫌われているのでやめさせてください』⇒×
さてこの3つの役割ですが,制度が始まっても現場では特に変化を感じません。
学校運営に意見を述べることができる人材が,協議会にどれだけ集まるのでしょうか?
元教職員や教育関係者でなければ,なかなか現場のことに口出しするのは難しいですよね。学校を閉鎖的な空間にしないような工夫だと思いますが,形だけになりかねないですね。
また,教職員の任用への意見なんてもっと口出しできませんよ。
個人を特定して『〇〇先生を学校に呼んでくれ』は言えないわけで,結局漠然とした要望になるので、それなら管理職が今までやっていることと大差ありません。
では,CSを活用した活動にはどんなものがあるのか紹介します。
(2)土曜日の教育支援活動
(3)ゲストティーチャー(伝統芸能の指導等)
(4)部活動指導
(5)交通安全指導
(6)校内外パトロール
(7)校舎の窓ふき,花壇などの整備
(8)学校施設の補修
(9)ホームページの管理
主なものを挙げましたが,実際勤務校で行われているのは(5)だけです。
仮に全て実現すれば,学校現場としては助かることばかりではありますが,その実現までの道のりが遠く険しい気がしてなりません。
地域コーディネーターとは何者だ?
地域コーディネーターとは,学校運営協議会の委員であり、地域学校協働活動推進員と呼ばれています。
つまり、学校運営協議会と地域をつなぎ、教職員と地域ボランティアをつなぐ役割をもつ人です。
この人が現場の要望を把握して,適切な地域人材を探して派遣する仕事をしています。つまり,この人材次第でCSが機能するかしないかが変わってきます。
前項で挙げた(1)~(9)の中で、その学校・地域が抱えている課題を適格に把握して、地域の人材と結び付けることで課題の解決を図ります。
このことによって今まで学校だけが担っていた負担を軽減することができ、地域の人材を活用することでより良い学びを提供することができるようになります。
ただ、ここでも疑問が生じます。はたして,教職員とも円滑にコミュニケーションがとれて,地域の人たちにも顔が広い人材はどれくらい存在するのでしょうか?
しかもアルバイトやパートぐらいの給与となります。
まず現役バリバリの若手からミドルの世代は望まないでしょうし,どうしても子育てに余裕ができた主婦や高齢者に頼ることになるでしょう。
地域に顔が利いて教師と地域を結びつけることができて、企画力や行動力のある人材を探すのは困難を極めているのが実情です。
この人材探しを丸投げされている各教育委員会には同情します。
実際,勤務校にきている地域コーディネーターは週に1・2回勤務していますが,何の仕事をしているか全くよくわかりませんでした。
職員室のPC前で何かの作業をしていますが,関わりもないので知らない間に帰宅していました。
つい最近までは地域コーディネーターを導入するぐらいなら,教師増員してくれた方が有難いとさえ感じていたぐらいです。
それぐらいCSに価値を見出すことができていませんでした。
しかし先日,勤務校の地域コーディネーターへの評価が変化する出来事がありました。
学校側からのヘルプが必要!?
勤務校では職場1日体験学習を実施しています。
市内の各職場で、実際の仕事を体験させてもらう学習です(学校によっては2~3日体験もあります)。
この学習の準備として、各職場へのアポ取りをしなければなりません。1件ずつ電話をかけて趣旨説明をした上で、受け入れの可否を確認します。
この業務が意外と大変でして、授業の空き時間に電話をしても必ずしも先方が出てくれるとは限りません。そして放課後にかけ直した時には、先方が退勤していてアポが取れないなんてことは少なくありません。
そこで、今年度は本校にいる地域コーディネーターにお願いをして、アポ取りを全てやってもらうことにしました。
その結果、数日の間にアポ取りが完了し、断られた職場の代わりの職場まで探してくれました。まさに自分のコネクションを最大限に利用して、地域の職場と学校を繋げてくれました。
私たち現場教師の負担も軽減され、地域コーディネーターの役割である「つなぐ」ことの大切さを実感した瞬間でした。
この件で感じたことは2つあります。
1つ目は、地域の幅広い層に顔が利く人材は貴重であるということです。
地元出身の教師ばかりが勤務しているわけではないので、地域の人とつながることは容易ではありません。その「つなぎ役」になれる人材を、地域コーディネーターとして任命してほしいと願います。
2つ目は、学校側が受け身ではなくどんどんヘルプを出すべきだと思います。
『〇〇してほしい』『〇〇の人を探してほしい』などの要望を出すことで物事は動き始めます。職場体験学習の件でも、最初はダメ元で相談してみました。
地域を巻き込んで教育を行うためには、何が必要で何を求めているかを伝えることから始めるといいでしょう。
おそらく、地域コーディネーターの方々もそれを望んでいるはずです。
学校側が何を求めているかがわからない状態では、どんなに人脈をもっていても動きようがありません。
どんどんCSを活用してやる!
今回は,コミュニティスクール(CS)と現場との関わりについてまとめました。地域コーディネーターとの関わりがとても重要です。
・地域と学校が協力して子どもたちを育てるための制度
・学校運営協議会の委員になるには教育委員会を通す必要がある
・CSを活用した活動には、まだ理想と現実のギャップがある
・地域コーディネーター=学校と地域のつなぎ役
・地域コーディネーターに適した人材を探すのは難題である
・学校側は受け身ではなくヘルプを発信すべき
・現場の教師と地域コーディネーターは積極的に関わるべき
・CSを上手に活用することは、教師の負担軽減の1つの方法となり得る
やはり,CSを活用して地域の人材に助けてもらいたいことは部活指導です。
放課後は部活指導に多くの時間が奪われます。そうなると,どうしても放課後学習の対応ができません。
私たちの本業から考えると放課後学習に重点を置くべきなのですが,実際はそうなっていないのが現状です。
授業の進度についてこれない生徒や授業以上の学習がしたい生徒を対象に,放課後対応してあげられるような環境作りが必要です(ただし勤務時間内に)。
また,放課後学習にも地域の人材が参加してくれるのならば,習熟度別にコースを作り、少人数指導が可能となります。
このように,実現可能かどうかは別として学校側の要望を明確にして,地域コーディネーターを通して地域に発信することが大事なんじゃないかと思っています。
今回はここまで!
みなさんが,幸せな人生を送れますように!
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