生徒指導は集団指導と個別指導を使い分けることで効果抜群!

生徒指導のコツ

 こんにちは、darakeです。

 今回の記事は、指示・指導が通りにくい生徒に対して、効果的に指導するためのアドバイスとなっています。

 指示・指導が通りにくい生徒に対応するのは大変です。もちろん、そこに教師の力量が問われるわけですが、根性論では決して乗り切ることはできません。効果的な指導方法を知り、実践しましょう。

 具体的な内容は次の3点です。

  1. 指示・指導が通りにくい生徒とは
  2. 集団指導と個別指導の使い分け
  3. 個別指導のやり方

指示・指導が通りにくい生徒とは

 指示・指導が通りにくい生徒とは、どのような生徒でしょうか。大まかに分類してみます。

(1)非行・反社会的行動を繰り返す生徒
(2)発達障害を抱えている生徒

非行・反社会的行動を繰り返す生徒

 非行・反社会的行動を繰り返す生徒は、1980年代をピークに減っています。奇しくもdarakeが生まれた年代をピークに減っています。

 なので、小・中学生の頃はその名残がまだあって、『極道』『ヤンキー』『暴走族』というキーワードが漫画、映画、ドラマの世界に入り込み、一時ブームを引き起こしていました。

#クローズ
#ビーバップハイスクール
#極道の妻たち

 フィクションの世界ならエンターテインメントの一種ですから大歓迎ですが、ノンフィクションの学校現場は荒れに荒れていました(子どもたちが憧れてマネるので)。

 そのような生徒たちは、対大人や教師、対社会に対して反旗を翻していました。ということは、指示・指導を通すなんて難題となり、果てには対教師暴力なんてことも頻繁にありました。

 当時の先生たちは完全に二極化して、熱血に関わるパターンと存在を無視するパターンに分かれてました(前者はドラマチックに描かれ、後者はチョイ役として名も無く描かれます)。

 今や非行・反社会的行動を繰り返す生徒はめっきり減りました。10年以上の教師生活の中でも、そのような生徒に出会った記憶は片手以下しかありません。そのうち数名は然るべき施設に入ることに・・・。

 ということで、非行・反社会的行動を繰り返す生徒はもはやレアケース化しているので、対処法なんてあまり意味ないでしょうね。

発達障害を抱えている生徒

 現代における指示・指導が通りにくい生徒=発達障害を抱えている生徒と思っていいでしょう。

 発達障害を抱えていて支援学級に在籍している場合は、課題が明らかであり、医療機関とも連携しやすく、個別もしくは小集団になっているため対応はしやすいのです。

 支援学級に在籍している時点で、生徒・保護者がある程度思いを共有しており、関わる教師たちもそれなりの予備知識があり覚悟しています(静かに話を聞くことは難しい、静かに座っていられない等)。

#支援学級がラクとは言っていないよ

 対応が難しいのは、発達障害を抱えているけども特別支援学級に在籍していない場合です。

 これには様々なケースが考えられ一概には言えませんが、darakeが関わったケースは紹介しておきます。

 支援学級に在籍していないということは、検査を受けていないか、程度が軽度のどちらかです。

 そのどちらの場合も、発覚しても対応されないまま過ごしてきているので、根本的な解決に至らないまま進級だけしているということになります。

 なので、そのような生徒たちに指示・指導が通りにくいのは明らかなのです。

 以下の特徴がある生徒は、今やどこの学校のどの学級にも必ず複数存在していませんか?

・落ち着いて話が聞けない
・言葉の意味が理解できない
・対人関係が苦手
・先を見通した行動が苦手 等

 では、これらの生徒たちにはどんな対応が望ましいのか、それをこれからお伝えします。

集団指導と個別指導の使い分け

 教師が生徒たちに何らかの情報を伝えて行動を起こさせる時、集団指導と個別指導があります。

 担任がホームルーム等でクラス全員に話をするのが集団指導です。それ以外にも体育館などに集めて行う集会もそれにあたります。

 個別指導とはその名の通り、1対1の状況でじっくりと指導することを指します。

 結論から言って、指示・指導が通りにくい生徒に対しては個別指導が最適であり、集団指導はほぼ意味を成しません。

 発達障害を抱えている生徒の特徴からして、集団の中で話を聞くというのは難易度が高く、聞いているように見えても理解には及んでいない場合があります。

 とっても当たり前のことですし、『そんなの知ってるよ!』と言われそうですが、集団指導で完了している教師が多くいたりします。

 なぜ、誰もが知っている当たり前のことが出来ないのか?

 それは、個別指導には時間がかかるからです。一斉に話をした方が効率がイイからですよね。しかも、全体の場で話をすると『指導したぜ』という雰囲気が感じやすくなります。

 この効率と雰囲気に惑わされて、本来は個別指導しなければならない生徒に対しても集団指導で完了している場合があるということです。

#伝わっていないのにね
#心当たりある人いますよね?
#結構いるでしょ?

 集団指導が効果を発揮するのは、聞き手にある程度の聞く力が備わっている場合に限ります。しかも、集団の多くに関係のある話題の時しか集団指導は使えません。

 1人を対象に指導しようとして、それを全体の場で行うのは指導ではなく「見せしめ」です。

 さらに、集団指導をするための能力として、「場の支配力」が必要です。

 『この先生の話は聞きたい』
 『この先生の話は聞かないとヤバイ』
 『この先生は他とは違う』

 楽しそう、何が起こるんだろう、怖い…、いずれも『場の支配力』です。この力がない教師の全体指導は効果が薄いのです。

#場の支配力は鴨頭嘉人さんが言っていたよ

 ということで、誰が言っても大差がない情報伝達ならば、どの教師の全体指導でもOKなのですが、指示・指導が通りにくい生徒(発達障害を抱えている生徒)が対象ならば、基本的には個別指導が必須です。

 例外として、『場の支配力』をもっている教師だけが集団指導が可ということです。

 要するに何が言いたいかというと、指示・指導が通りにくい生徒とは徹底的に個別指導で向き合う方が結果的に効率がイイということです。

個別指導のやり方

 個別指導をする場面の多くは何かトラブルや問題行動が発生した時です。

 個別指導では、まず生徒の話を聞くことが重要です。生徒の思いや考えを引き出すことが求められます。

 その時、話すことが苦手な生徒もいるので、急かさずにじっくりと待たなければなりません。助け舟を出しながら生徒の思いや考えを引き出してください。

 この時、教師の悪い癖が2つあります。

≪教師の悪い癖①≫
 教師がずっと話をするだけで終わることのないようにしましょう。指導されている生徒は聞いているようで、ただその場をじっと耐えているだけのことが多いので。

≪教師の悪い癖②≫
 原因や理由ばかりを問いただすことです。『なぜやった?』『どうしてそうなった?』
でも、生徒たちからすると理由という理由がない場合もあるんです。
『何となくやった』『腹立ってやった』『楽しそうだったから』
行動の背景や理由を探ることは必要ですが、あまり深入りし過ぎもよくありません。

 個別指導で最も重要なことは、今後どうするかを共に考えることです。

 同じ過ちやミスを繰り返さないように行動していくことを求めます。問題行動を継続することで、自分にどんな不利益があるのかを具体例を示しながら想像させます。

 darakeは「信用」の蓄積と喪失を例にして話をします。

 そして、一度で指導の全てが終わると思ってはいけません。時間をかけて個別指導をしても、なかなか伝わらないことはよくあることです。そこで落胆するのではなく、最初からそういう心づもりをしておくべきです。

 何度でも伝え続ける姿勢が必要です。在学中に伝わらないことだってあります!

 さらに、トラブルや問題行動が起こった時の「環境」も見直す必要があります。指示・指導が通りにくい生徒(発達障害を抱えている生徒)が、問題行動を起こしやすい「環境」になっていないかを分析しましょう。

 分析した結果、その「環境」改善を優先的に行うといいでしょう。

#ミスはヒューマンエラーよりシステムエラーを疑え

 個別指導のポイントは次の4点です。

・じっくり聞く
・終わったことよりも今後に目を向ける
・何度でも行う
・システムエラーを改善する

おわりに 

 生徒指導は人を相手にする行為なので、奥深く難しいです。効果的な指導方法はあっても正解はありません。

 生徒の数だけ正解があります。

 時には威圧的な指導をしてしまう時もあります。そんな時はすぐに頭を冷やし冷静になります。威圧は真の改善ではないからです。とても安易な方法なので選択しがちですが。

 生徒指導する時の心がけは、「心にはヒートを頭はクールに」です。

 指示・指導が通りにくい生徒との関わりに悩んでいる全ての人に役立つ記事になることを願います。

 今回はここまで!

 みなさんが豊かな人生を送れますように!

コメント

  1. 武田 圭司 より:

    公立高校の指導者が、生徒を発達障害と決めつけ献身的な指導もせず、問題行動を起こしたと「退学処分」と生徒・保護者を脅し、学校から生徒を排除している行為が常套手段となっている。毎年2割・3割の生徒さんが辞めさせているのです。後に調べてみると障害のことは教師の虚偽だったのです。優越的立場を利用した懲戒権の乱用・事実を偽り生徒・保護者に害を与える越権行為は子供を育てる立場の人間のする行為とは思えません。このような行為を調査し取り締まる機関がないのでしょうか?録音テープを提出し説明を求めても、約束しいた教師は現れず騙されたのです。教育委員会にも相談したのですが、結局は無理でした。

    • darake より:

      コメントありがとうございます。
      『献身的な指導もせず』という言葉が胸に刺さり、身が引き締まる思いです。
      教育者としてあってはならない姿だと思います。
      停学・退学という制度がある高校ならではの話ですね。中学校に勤める身としては、考えられない話です。
      どこに相談するかというのは、スクールロイヤーぐらいしか思いつきません。一度会って話をしたことがありますが、とても真摯な対応をしてくれた覚えがあります(個人差があるとは思いますが)。中立的な立場かつ法律家の目線で対応してくれます。

      • 教育者の方ですね!アドバイス有難うございます。卒業していてもスクールロイヤーに相談できるのでしょうか?
        今、個人情報の開示を教育委員会等に求めようとしているのですが、どこまでの開示をしてもらえるのか?どこまで隠蔽されるのか?は分かりません。息子や既に退学させられてしまった生徒さん達に協力してもらい、開示の内容次第では不服申し立てを考えています。個人情報の開示や不服申し立てについての情報など何かアドバイスしていただけませんか?よろしくお願いします。無理やり合意させ退学へと追い込む行為を辞めさせたいのです。

      • 武田圭司 より:

        教育者の方ですね!アドバイス有難うございます。卒業していてもスクールロイヤーに相談できるのでしょうか?
        今、個人情報の開示を教育委員会等に求めようとしているのですが、どこまでの開示をしてもらえるのか?どこまで隠蔽されるのか?は分かりません。息子や既に退学させられてしまった生徒さん達に協力してもらい、開示の内容次第では不服申し立てを考えています。個人情報の開示や不服申し立てについての情報など何かアドバイスしていただけませんか?よろしくお願いします。無理やり合意させ退学へと追い込む行為を辞めさせたいのです。

        • darake より:

          スクールロイヤーと言っても弁護士なので、卒業していても関係なく相談には乗ってくれるとは思います(費用は発生するかもしれませんが)。
          ただ、行政を相手に法廷で争うとなると、私の知識と経験では役に立たないですね。現場経験しかないもので。
          基本的に教育委員会は保守的なので、対応は遅いし期待する回答は得られない気がしますね。
          情報開示に応えるのは行政の義務なので、そこは追及してもいいかもしれません。
          信頼できる法律のプロを探すのが解決の糸口かもしれませんね。
          適切なアドバイスができずに申し訳ありません。

          • 武田 圭司 より:

            個人情報の開示に学校へ行きました。すると事実と異なる懲戒が記載されていました(バイクの窃盗)他にも都合よく話が変わっていたのです。他の団体にも無断で障害や懲戒の事も漏洩されていたようです。担当教師からの説明を求めても拒否されたのです。翌日、開示した書類を返してくれと家まで押しかけてきました。このような文書偽造や無断での情報漏洩は刑法違反になるようです。警察は事件にしてくれるのでしょうか?

          • darake より:

            コメントありがとうございます。
            第三者の感想として、事実と異なる記載というのは肯定できる話ではありませんよね。
            けれども、警察案件となると、私では力不足ですね。
            申し訳ありません。
            弁護士の領域になるのでしょうかね。

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