こんにちは、darakeです。
授業改善や学力向上のために、教師同士で研修することはありますが、イジメを早期解決するための研修をしている学校はあまり聞いたことがありません。今度やってみようと思っています。
さて、今回はイジメについての記事です。
学校現場では、イジメアンケートや教育相談等を実施して、イジメを早期発見・早期解決しようと試みていますが、その被害件数は減りません。
その原因を教師目線から考え、対策案を出してみます。
イジメの認知件数
文部科学省によると、平成29年度のイジメ認知件数は、過去最多を更新したそうです。
中学校では、8万424件(前年度7万1309件)。認知しているだけでこの数です。
ちなみに、発見のきっかけで1番多いのがアンケート調査(58%)で、次は本人からの訴え(18%)です。いかに、イジメられた時に人に相談しづらいかがわかりますね。
認知している件数以外にも、まだまだ相談できずに悩んでいる生徒がいて、何とかしなければいけない問題です。
そして、小中学生の自殺者数は250人で、これも過去30年間で最多となっています。そのうち、自殺の理由としてイジメ問題が10人、理由不明(遺書などの書き置きなし)が140人とのことです。
イジメはなくならない
イジメ問題の解決のためには、キレイ事は早く捨てるべきだと思います。
イジメはない方がいいのは当たり前、イジメによる自殺を減らしたいのは当たり前です。しかし、誰もが願っていることなのにずっとなくなっていません。むしろ増えている。
このことから目を背けて、『イジメをなくそう!』だけではダメですよね。まずは、『イジメはなくならない』を認めて、その上での対策を考えた方が現実的だと思います。
キンコン西野さんは、著書魔法のコンパスで次のようにイジメについて持論を語っています。
『イジメやめようぜ』と呼びかけるのは正しいことだと思うけど、しかし、それが残念ながら解決策でないことは歴史が証明している。
『正しいことだとは思うけど、その方法ではイジメは無くならなかったんだから、もしかしたら、イジメの無くし方は、それじゃないんじゃない?』という提案。
結論を言うと、イジメは、イジメっ子からしてみれば『娯楽』なんだよね。
まさにその通りだと思いましたし、『なるほどな~」と感心しました。詳しく読みたい方はコチラ↓
イジメは、人が2人以上いれば起きる可能性を秘めています。1対1であろうと、精神的、物理的な攻撃を受けたことで苦痛を感じればイジメです。
信頼関係が十分に構築されていないで、自分の意思に関係なく一緒になった集団ではいじめは発生しやすくなります。ということは、そもそも学級はイジメが起こりやすい集団だということです。
つまり、イジメのない世界とは1人の孤独の世界しかなく、生涯にわたり現実及びネット上において孤独でいることは不可能に近いのです。
このように考えると、『イジメはなくならない!』からこそ、早期発見・早期対策に力を注ぐ必要があるのだと思います。
『教師のくせに何を言っているんだ』と怒りを感じる方は、冷静に考えてみてください。
からかい、陰口、噂話、無視、SNSでの誹謗中傷、全て大人の世界でも日常的に起こり得ますよね。会社内でも、職員室でも、幼稚園の保護者会でも、どの場面でも起こり得ます。
大人の世界で起こっていることが、生徒たちの間だけ「なくなる」わけがありません。
『イジメをなくそう!』と言い続けながらも、イジメが起こっている現実から目を背けないで、早期解決する案をみんなで考えることが大切でしょう。
いじめの解決策を考えよう
写真ACより
解決策として、次の2つが考えられます。
学校内で何ができるか、保護者と連携して何ができるか、関係機関と連携して何ができるか、考えうる全てのことを駆使して、解決策を考えましょう。
2 具体策
まず、イジメをする側のイジメの分析が必要です。大きく分類すると次の4つになるのかなと思います。
(2)気に入らないからイジメをする(容姿の違い・考え方の相違)
(3)人よりも優れていたく、支配したいためにイジメをする
(4)自分へのイジメを防ぐために他へのイジメをする
そして、イジメをする側の心理としては次の4つが予想されます。
①とにかく退屈で、自分の生活に充実感がない
②不安や不満を抱えていて、精神的に安定していない
③嫉妬、妬み、恨みの感情を抱えていて、精神的に安定していない
④相手の気を引きたいという感情がエスカレートしてしまう
次に具体策です。
(1)イジメ発見次第、対策スペシャルチームを結成する
初動が遅れ、後手後手になることで事態が悪化してしまいます。イジメを発見次第すぐに、十分な経験があり、生徒の気持ちに寄り添える教師によるスペシャルチームを結成すべきです。
これは、リアルに動ける教師による実行部隊だと思ってください。
このチームには緊急事態ということで、どの業務よりも優先すべき権限が与えられます。担任1人に責任を押し付けず、このスペシャルチームで解決を試みます。
このスペシャルチーム、家庭、関係機関が即座に連携できる体制を整え、解決のための労力を惜しまないことが必要です。
(2)被害生徒と加害生徒共に、徹底的にマークする!
校内で一切隙を与えず、授業中だけでなく休み時間も行動観察をします。特に、被害生徒の校外での行動確認を確実に保護者に引き継ぐことを忘れてはいけません。
さらに、被害生徒と加害生徒の心のケアを同時に行うことが大切です。偏見や予測だけに捉われず、生徒としっかり対話して総合的な判断が重要です。『〇〇だろう』『あり得ない』はいけません。
(3)生徒、保護者、教師全ての人が思い込んでいることから解き放つ
イジメに合う人は偶然であり、必然の理由は明らかになっていません。
つまり、誰にでも起こりうるし、明確な理由がない以上、『自分だけなぜ…』と悲観的にならずに、被害にあった場合はすぐに助けを求めることが必要です。
助けを求めることが恥ずかしい、という思い込みから解き放ってあげましょう。それを伝えることは教師の務めです。
そして、保護者、教師ともに登校刺激を与え過ぎないことです。学校に行かないことが「悪」という思い込みからも解き放ってあげましょう。
イジメが発生している状況から逃げることは大切です。その逃げ道を、大人が断ってしまうことは避けたいものです。
さぁ、いじめの早期解決を!
この記事は、イジメについてまとめました。
・イジメはなくならないことを認める
・いじめの解決策(分析と具体策)
早期解決のためには、イジメをした側がどんな心理で、どのタイプのイジメをしたのかを把握し、その要因を取り除く対処が必要だと思います。イジメはとにかく早急な対処療法が重要でしょう。
イジメをなくすことに力を使うよりも、イジメが発生した時にいち早く対処できる環境を作りたいですね。
この記事をまとめる中で、イジメについて改めて考えることができました。何よりも重要なことは、イジメで悩んでいる生徒を救うこと、イジメによる自殺を食い止めることです。
さらに良い具体策が見つかったらアップします!
今回はここまで!
みなさんが、幸せな人生を送れますように!
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