中学校教師がラクに働くためには、教務主任と時間割担当のセンスが重要!

職場環境

 こんにちは、darakeです。

 今回は、中学校教師向けの、どうすればラクに働けるかという記事です。ここでのラクとは、時間と精神的なゆとりを指します。

 残業代も支給されないのに、業務に追われ、時間に追われ、遅くまで学校に残っている教師がたくさんいます(好きで遅く残っている教師は別)。

 そんな中学校教師を救う鍵は、学校の教務です!

 センスのある教務主任と時間割担当ならば、長時間労働で悩んでいる中学校教師を救えます。

 現在、教務主任もしくは時間割担当であるならばセンスの見せ所だし、まだそのような立場にない若手の方々は、いつか来るその日のために知っておいてください。

 この記事を読んだ後、自分の学校の教務主任と時間割担当のセンスを評価してみてください(笑)

 具体的な内容は次の2点です。

  1. 中学校の時間割作成
  2. 教務主任&時間割担当に求められるセンス

中学校の時間割作成

 まず、1週間の時間割が完成するまでの大まかな流れを紹介します。

 教務主任の業務と時間割担当の業務に分けます。

教務主任の業務

 教務主任が月別の行事予定表を12か月分作成します。行事予定表とは、1か月ごとの行事を中心に、日ごとの授業時間を計画したものです。

 1時間目2時間目3時間目4時間目5時間目6時間目
1年
2年
3年

 上の表は、ある日の授業時間です。1年生は4時間授業、2年生は5時間授業、3年生は6時間授業という意味になります。

 教務主任は、この行事予定表を春休み中に大まかに作成し、定例の職員会議ごとに翌月の行事予定表の確定版を提案します。

 直前にならないと確定しない行事もあるため、月の確定版は徐々に作成していくしかありません。

 教務主任は、年間授業時数を下回らないように、月の授業時数を計画(1年分)して、行事予定表に落とし込んでいくわけです。

 ちなみに、中学校の各学年の標準授業時数は1015時間ですね(各教科+道徳+総合的な学習+学活)。

 なので、入学式や卒業式等の行事は、授業時数には含まれません。

 ただし、体育祭や学校祭、宿泊行事等は、各授業と関連付けて、授業時数としてカウントすることができます。

 この標準授業時数1015時間は、学校教育法施行規則に明記されていて絶対です。

 だから、災害やインフルエンザによる臨時休業が発生すると、教務主任は大慌てしているわけです。

 と言いつつも、どこの学校でも20時間弱ぐらいの余剰時数があるはずなんです。台風による臨時休校、インフルエンザによる学校閉鎖が起こっても、5日間ぐらいは余裕なんです。

 ただ、コロナによる臨時休業は異例で、2019年度は対応が間に合わず、1015時間を下回った学校もあったはずです。

 2020年度については、夏と冬の長期休業を減らせという鬼のような通達で、何とか1015時間を確保しているはずです。この時は、すごく反発した覚えがあります。

心の声
心の声

そんなに時数が大切か!アホが!緊急事態やぞ!バカが!

 このように、教務主任が1年間の授業時数を計算し、日々の授業時間を決めているのです。

 『会議がある日は5時間授業』
 『参観日だから5時間授業』等々

時間割担当の業務

 時間割担当になった教師は、月別行事予定表に沿って時間割を作成していきます。

 原則として、時間割担当者には、1日の時間を決定する権限はありません。教務主任が作成した月別行事予定表によって既に確定しています(職員会議で確認済)。

 時間割担当者は、各教科をバランス良く配置して、各教科、道徳、総合的な学習、学活の標準時数を下回らないように組んでいくのです。

 ただ、この「バランス良く」というのが非常に難しいのです。

 毎日すべての教師が出勤するとは限りません。

 教師には年休という制度がありますし、病気で休む人もいれば、家族の看護で休む人もいます。さらには、会議のため学校を不在にする場合もあります。

 また、教科担任や学級担任からのイレギュラーな要望も多くあります。

 『テスト前だから授業を多く入れて欲しい』
 『2時間続きで授業を配置して欲しい』
 『学活を1日に3時間入れて欲しい』等々

 時間割担当者は、各教師の動静を把握しつつ、教科担任や学級担任の要望に可能な限り応えていかなければいけません。

 だから、スムーズに1週間の時間割が完成した時は、こっそりガッツポーズなのです。

 とはいえ、時間割が完成した後に、休みの連絡をしてくる教師がいたり、授業配置の要望を言ってくる教師もいます。

 そんな時の時間割担当者の心の中は・・・

心の声
心の声

マジかよ!?勘弁してよ!事前に伝えてくれよ!

 というような、顔は笑って許していても、心の中では怒っている場合がありますので、今まで気にもせずに直前に要望を伝えていた人は改善するといいでしょう。

 もちろん、病気や不意のトラブルは仕方ありません!!

 このように、中学校の時間割は、教務主任&時間割担当コンビが司っているのです。

教務主任&時間割担当に求められるセンス

 教務主任&時間割担当コンビには、学校の全ての時間割を決定する権限があるので、その学校が働きやすいかどうかは、そのコンビ次第となります。

 基本的に、1日6コマ×5日間がMAXで、年間1015時間さえ確保していれば、管理職もその上も文句は言いません。

 とにかく、口うるさく時数を確保しろと言ってきます。

 なので、センスのない教務主任はそれを忠実に守り、教師や生徒のことを全く考えずに行事予定表を組んだりします。そして、センスのない時間割担当は、言われた通りに時間割を作成します。

 センスのない時間の組み方の例を一部紹介します。

①始業式や終業式の日に6時間授業。
②定期テストが終わった後に通常授業を組み込む。
③行事の前にも関わらずずっと6時間授業。
④6時間授業に常任委員会を組み合わせる。

⑤年度末もずっと6時間授業(1015時間確保した後も)。

 これらはセンスがないだけで、間違ってはいません。

 だから、誰も表立って文句は言えません。

 とはいえ、『どう考えても生徒がツライでしょ!』『教師の放課後の時間が足りないでしょ!』『時数確保って言われたら何も言えんわ』という心の叫びは鳴り響きます。

 でも、この叫びに気付かない(気付けない)教務主任&時間割担当コンビがいるのが現状です。

 きっと、時数確保に縛られ、管理職の圧に耐え切れずに、無慈悲なセンスのない組み方をしてしまうのでしょう。

 生徒と教師に無理のない時間割というものが存在します。それは、杓子定規に時数確保しているだけでは成立しません。

 ここまで読んでくれた方には、ある疑問が浮かんでいるはずです。

『darakeは教務主任やったことあるんか?時間割組んだことあるんか?』とね。

 安心してください。両方経験済みです!

 そして、こんな疑問も浮かんでいるはずです。

『コイツ、6時間授業が嫌なだけじゃね?サボりたいだけじゃね?』とね。

 その通りです。出来るだけラクしたいんです。

 定時に帰りたいし、自分の業務は計画通りに進めたいんです。そのためには、生徒が下校した後の時間ってめちゃくちゃ大事なんです。

 もちろん、空き時間も上手に使って業務を進め、放課後の生徒がいない時間を有効活用して、自分が納得いく仕事がしたいんです。

 そうでもしないと、部活指導に時間を奪われ、中学校教師たちには余裕がなくなる一方です。教師に余裕がない状態での教育は、生徒にとってデメリットしかありません。

 生徒たちにもゆとりが必要です。いついかなる時でも6時間授業が良いわけではありません。

 生徒たちにも疲労が溜まる時期というのがあります。

 重要なことは、最低限の時数確保をして、健全な生徒の学ぶ環境を確保しつつ、教師にも業務を片付けるための十分な時間を確保することです。

 それを直接実行できるのは、教務主任&時間割担当コンビです。

 きちんと時数確保していれば、監査が入ってもノープロブレムです。それと同時に、うるさい管理職を黙らせることができます。

 さらに、ゆとりある時間割を組むことで、教師たちのストレスを減らすことができ、管理職も文句は言えません。

 教務主任&時間割担当には、管理職と上手に付き合うセンスが大切なのです。

おわりに

 何でもかんでも6時間授業がダメと言っているわけではありません。

 6時間授業が続いても何とも思っていない時と、そうでない時があります。

 これは、実際に中学校勤務を経験している人ならわかってもらえるでしょう。

 月に数日ですが、『この日は5時間や4時間にしてでも、ゆとりを確保した方が良い!』という日が存在します。

 そういう日を間違えないセンスが重要なのです。

 もし、気づかずに時間割を組んでしまっても、指摘された後に柔軟に対応できることもセンスと呼びます。

 自分が教務主任&時間割担当をやる時は、常にこれらを意識して業務遂行しようと心掛けています。

 そうすることで、生徒と教師のためになると信じています。

 決して、サボりたいだけじゃないんだっ!

 今回はここまで!

 みなさんが豊かな人生を送れますように!

コメント

  1. あおい より:

    通りすがりです。
    自身も夫も中学校教諭、夫は入職して依頼ずっと時間割を担当して今は教務主任です。記事の内容は、その通り!と思うことばかりなのですが、少しモヤモヤが残りました。何がモヤモヤ…か考えてみたのです。時間割にかかわる作業って学校によってはものすごく能力を有して労力がかかるものだと思うんですね。それに加えて職員全員の言い分をなるべく酌むべくいつも苦労している夫を見ているので、「センスのない」と言う文言を見てモヤモヤしたんだと思います。うちの夫は時間割に関しては本当にベテランなので妻の贔屓目なしでセンスはあると思います。でも全員が納得するものはなかなか出来上がりません。全てを教務主任と時間割担当の腕にかかってるような書き方に違和感を感じました。読み飛ばしている所があればすみません。率直な感想です。

    • darake より:

      あおい様
       コメントありがとうございます。少し違和感をもたせてしまった表現でしたね。申し訳ありません。私自身も時間割担当が長いので、時間割作成の苦労が身に染みてわかっているつもりです。本記事は、管理職と教務主任と時間割担当が上手いバランスで学校運営ができている学校は働きやすくなると確信しての思いから記事にしました。

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